活動方針
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活動方針


令和5年度 福岡県小学校長会活動方針

 福岡県小学校長会は、昭和21年の設立以来75年以上にわたり、福岡県全域の小学校教育をリードしてきた。その中で学校教育に求められる児童の育成や教育的課題解決のために、その時代時代に応じた活動を行ってきた。令和5年度の学校教育においては、新型コロナウイルスに配慮しつつ、学校経営・教育活動の充実を推進することが求められている。具体的には、GIGAスクール構想をはじめとする「令和の日本型学校教育」の構築を目指し、全ての子どもたちの可能性を引き出す個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を進めていくことである。そこで、福岡県教育委員会の方針を基本としながらも本会独自の調査・研究活動を推進して学習指導要領に示された「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力や人間性」といった三つの資質・能力をバランスよく育んでいきたい。

 また、経営面では、新規採用教員を含む若年教員やミドルリーダーの育成等、福岡県教員育成指標に基づいた次世代を担う人材育成が大きな課題となっている。これらの課題解決に向けては、対策活動を実施しながら全国・九州・県内の会員が研究大会の機会を利用して、教育の質や教職員の仕事へのモチベーションを維持し、超過勤務削減に関する取組の情報交換や情報収集を積極的に行えるように働きかけていきたい。校長会として、これらの取組を推進することで、多くの人が学校が魅力あふれる場所であり、教職がやりがいのある仕事であることを実感できるようになると考える。

 そこで、本校長会では、全連小の研究主題を踏まえ、「豊かな未来を創り出す子どもを育てる小学校教育を推進する学校経営」を研究主題に設定し、調査・研究活動及び会員相互の情報交流の充実に努めている。急速に進む教育施策の変化に対応すべく、より一層の活動の充実を図り、子どもたちの教育の機会均等、充実を目指すこととする。

 本校長会の組織運営については、令和元年度末から続く新型コロナウイルス感染症にともなう様々な会議の中止、実施方法の見直しなど大きな転換点に立っている。これを機会に会員が小学校長会の存在意義を再確認できるよう、これまでの活動内容の検証を行い、急速に進む新たな時代に対応する小学校教育の充実に一致団結して取り組んでいかなければならない。本年度、5月からは、新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが、2類から5類へ移行される。コロナ禍の象徴だったマスクも原則不要となる見通しで、平時の生活に戻す方向へ大きく転換する。ここ3年間は、直接的なかかわりができない経験からリアル(対面)活動の価値を改めて認識している。この経験を生かし、子どもたちにとっての学びの教育効果を最大限に発揮できるよう本年度は、次のような基本的な立場を取る。

○ 会員、職員、児童の安心・安全を最優先としつつも校長の学びを止めない、喫緊の諸課題への対応の時期を逸しない立場から、本会の研修、諸活動については、原則参集で実施する。
○ 校長の働き方改革も踏まえ、適宜、ハイブリッド及びオンラインでの開催も組み入れる。

本年度は、“不易と流行”を福岡県小学校長会のスローガンに掲げ、今までの諸先輩方が築き上げてこられた校長会のよき伝統と、時代の流れに沿う経営マネジメントを融合させ、変化の中で自ら新たな価値を創り出すことができるように会員の方々にも有益な情報発信を積極的に行っていきたい。加えて、令和7年度全連小福岡大会を控えており、本年度は、新たに、令和7年度全連小福岡大会実行委員会を立ち上げ、政令市を含めたオール福岡で令和7年度に迫った全国大会の準備を組織的に行っていく。

以上のことを踏まえ、本年度は次の活動を重点として推進する。

1 学校経営の充実

  1. 校長自ら研鑽に励み、学校経営上の課題を明確にし、その解決を図るための確固たる経営方針のもと創意ある教育活動を実践する。さらに、これまでに蓄積された優れた経営戦略や実践的指導法を研修等で共有することにより、信頼される学校経営を推進する。
  2. アフター・コロナに対応した新たな学校教育の在り方を確立する。具体的には、今までの教育活動とコロナ禍で培った教育活動のよさを融合させ、校長が想像力とリーダーシップを発揮し、情報収集に努め、取組の充実を図る。
  3. ススマホやインターネット等に関わる犯罪、児童虐待、いじめなど、子どもを取り巻く社会の状況や自然災害に対応するため、生徒指導推進上の課題や対策を明らかにし、学校と家庭、地域が連携した安全・安心な学校経営を推進する。

2 調査・研究活動の充実

  1. 全連小研究主題及びこれまでの本県校長会の研究を踏まえ、校長の経営実践を通して「豊かな未来を創り出す子どもを育てる小学校教育を推進する学校経営」について究明し、その具現化を図る。
  2. アフター・コロナにおける各教科等研究会の研究の充実を目指して、研修の最適化と深化を図る。
  3. 「令和の日本型学校教育」の具体化と推進、専科指導、特別支援教育、防災教育等の今日的課題、働き方改革、ICT環境整備及び一人一台端末時代の具体的な学校運営、教育実践等、教育諸課題についての動向調査と情報交換、研修を行い、中学校長会とも連携し、県教育委員会への要望活動や各種広報活動を通して会員への情報提供を行う。

3 教職員の資質・能力の向上

  1. 新研修体系による基本研修の考え方を理解し、教員育成指標を踏まえた学校での校内研修の内容や行い方を工夫し充実を図る。
  2. 学習指導要領の趣旨を踏まえた研修、各教科・領域の学習指導法に関する研修、学級経営や児童理解等に必要な力量を高める生徒指導や特別支援教育に関する研修、また教職員の不祥事防止のための研修等、学校や教職員の課題に応じた校内研修を充実させ、教職員の資質・能力の向上を図る。
  3. 教職員がやりがいをもって気持ちよく安心して働ける職場環境づくり、教員一人一人の実践的指導力を高める研修の充実を図る。
  4. GIGAスクール構想の推進に向けて、子ども達一人一人の個別最適化された学びの実現を目指す研修の充実を図る。

4 教職員の処遇改善

  1. 産休・育休等の代替講師や非常勤講師の速やかな配置、教員が子どもに向き合う時間の確保に係る業務の縮減など、教育諸条件の整備について県や市町村教育委員会に要望、提言していく。
  2. 給与・諸手当の水準の維持・向上と教職員の業務の充実のため、義務教育費国庫負担制度及び人材確保法に基づく教育予算の適正な運用を県や市町村教育委員会に要望していく。
  3. 国の標準法改善(今後3年間での35人学級措置)や小学校高学年における専科制の導入に伴う定数の確保や特別支援学級数の増加への対応、特別支援教育に係る人的・物的環境の整備、ICT活用教員(ICT支援員)の配置及びALTの増員を県や市町村教育委員会に要望していく。

5 福岡県小学校長会組織の活性化と活動の充実

  1. 福岡県小学校長会が主催する各種研修会(県研究大会、二年次校長研修会、郡市会長研修会)においては、学校経営に役立つ講師を招聘し、校長の学校経営力の向上に資する。
    そして、優れた実践を学ぶ研修の充実を図る。さらに、各地区の教育をとりまく状況の交流を図り、課題を分析し、教育の質の向上と均質化をめざし、具体的な提言、要望活動につなげる。
    そのために、 県小学校長会事務局と6地区、35郡市校長会の連携協力体制のもとで研究大会の実施、対策部、調査研究部、広報部の活動を推進する。
  2. 県教育庁、各市町村教育委員会及び関係諸機関、他団体(県中学校長会、退職校長会、県PTA連合会)とも連携し、交流会を実施するなど福岡県小学校教育の充実・発展に努めるとともに、県外視察研修により校長の見識を深め学校経営の充実に努める。
  3. 各部(対策部・調査研究部・広報部)活動内容の目的を明確にし、その具体化を図る。